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1.半導体多孔質構造(ポーラス構造)の自己組織化形成
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半導体表面の陽極反応を制御することにより、寸法の揃った孔(あな)が周期的に並んだ構造「ポーラス(多孔質)構造」が形成されます。図はインジウム燐(InP)という半導体に形成したポーラス構造の電子顕微鏡写真です。表面には直径約100nmの孔が周期的に配列しており、数十um以上の深さにわたり優れた直線性を保っています。驚くべきことは、この孔の周期配列は、リソグラフィなどの人工的な位置制御をすることなしに、自己組織的に形成されるということです。本研究Gr.では、このユニークなナノ構造を使った様々な機能素子の開発に取り組んでいます。
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2.機能性有機分子による表面修飾とバイオセンサ応用
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半導体多孔質構造の孔壁内面に、機能性有機分子を固定化(表面修飾)する手法の確立を目指しています。例えば電流検出型のバイオセンサへ応用する場合、多孔質構造の大きな表面積が検出面として利用可能で、高感度化が期待されます。最初の試みとして、グルコースオキシダーゼの固定化に成功しました。
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3.ISFET(Ion-sensitive field effect transistor)の作製と化学センサ応用
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ISFETは、トランジスタのゲート電極を取り除いた素子構造をもち、ゲート電圧の代わりに表面電位の変化をソースドレイン電流で検知するデバイスです。半導体表面の電位は、検出する化学物質の濃度に敏感に応答するため、化学センサとして応用が可能です。現在、高感度化に向けて素子構造の改良を進めています。
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4.ナノスケール金属-半導体界面の形成と機能素子への応用
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金属イオンを含む電解液に半導体を浸し負の電圧を印加すると、陰極反応(還元反応)により半導体表面に金属が析出されます。析出初期には、直径数nm〜数10nmの金属微粒子が、電流の流れる部分にのみ選択的に析出されるため、非常に小さな金属電極の形成に有力な手法です。ナノサイズのショットキーゲート電極や、触媒金属微粒子による表面修飾への応用を目指しています。
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5.高効率エネルギー変換素子の開発
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半導体多孔質構造の大きな表面積を利用した、高効率エネルギー変換素子の開発に取り組んでいます。光-電気エネルギー変換(太陽電池)や、化学-電気エネルギー変換(化学電池、バイオ電池)への応用を目指しています。
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